
みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(61)は4月5日、東京都内で記者会見し、みずほ銀行で4件続いたシステム障害の原因や対応策を説明した。2002年4月に同行が再編で発足してから大規模なシステム障害は3度目になる。坂井社長の責任の取り方を含め厳しい質問が記者から相次いだ。
報道陣がこの日の会見で繰り返し問題にしたのは、数多い銀行のなかでみずほ銀行だけが大規模障害を繰り返してきた点だ。ある通信社の記者は「過去の失敗から何を学んでいたのか。これは組織の問題ではなく経営陣の問題であり、坂井さんの問題ではないか」と責任論を投げかけた。
これに対し坂井氏は「こういうこと(障害)が起きているのだから、過去の教訓を十分に生かせていないことになる」と反省の言葉を口にした。そして「批判は正面から受けとめる。システム部門やビジネス部門、とくに危機管理に関わる部門が弱く、経営として全体をまとめ上げていく課題がある」と経営の問題であることは認めた。
首を洗っておく覚悟
別の記者は書籍に掲載された坂井氏のインタビューのやりとりを取り上げた。昨年2月に日経BP社が出版した「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」のことで、記者は次のように質問した。
「インタビューで『3度目のシステム障害が起きれば経営責任が問われる局面で社長に就きました』と覚悟を問われ、坂井さんは『社長になるのは自分の首を毎日洗っておくことです。それが社長を引き受ける大前提です』と話している。3度目があれば辞任もやむなしとの覚悟だったと思うが、今この考えは変わっていないか」
これに対し坂井氏は「責任を取る覚悟は日々持っていないと…
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