職場のトラブルどう防ぐ?

「月給50万が18万円!?」再雇用に迷い始めた59歳次長

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A郎さん(59)は、従業員数約100人の衣料品卸会社で営業次長を務めています。今年9月に60歳になり、定年を迎えます。先日、会社の人事担当者と定年後再雇用について面談をしました。そこで示された労働条件が厳しい内容で、A郎さんは途方に暮れています。

希望すれば65歳まで働けるが……

 A郎さんの会社は、社員が希望すれば原則65歳まで嘱託社員として継続雇用します。嘱託社員の基本給は職務に応じて個別に決まりますが、月給制の確約はなく、時給制になることもあります。また役職にはつかないため、役職手当がなくなります。住宅手当や家族手当も現役社員が対象で支給されません。

 嘱託社員の業務内容は、人員配置を考慮して会社が決めます。定年前と同じ部署の場合もあれば、全く異なる部署に配属となる場合もあります。勤務時間と勤務日は、嘱託社員の希望を聞いた上で、フルタイム勤務にしたり、短時間勤務にしたり、勤務日数を減らしたりしています。

 A郎さんは、面談で「配送センターで発送業務をしてほしい」と言われました。発送業務は過去に何度か応援で手伝いをしたことがありますが、担当になったことはありません。また、配送センターへの異動は珍しいことではありませんが、A郎さんは、これまで定年後再雇用で現場の作業員への異動を命じられた役職者…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/