
無料通信アプリ「LINE(ライン)」のユーザー情報が、中国のライン孫会社からアクセス可能な状態になっていた問題が物議を醸している。中国に目を向けると、ここ数年、多種多様なアプリを使う多くの中国人ユーザーが個人情報の漏えいに悩まされ、社会問題になりつつある。
3月15日、その象徴的な出来事があった。同日は「世界消費者権利デー」で、中国国営放送の「中央電視台(テレビ)」が毎年「問題企業」をあぶりだす「315晩会」という名のドキュメンタリー番組を放送する。今年は初めて個人情報の不正取得と転売に焦点を当てた。
これまで同番組は中国で販売する工業製品の品質あるいはアフターサービスをめぐり、消費者の権利を侵害する疑いのある企業を批判してきた。3月15日から数日間はマスコミが後追い報道をするため、連日ニュースの“主役”ともなる。
中国の有名企業はもちろん、外資系企業も取り上げられるため、この時期になると、企業はみな戦々恐々としているという。実際、過去にはフォルクスワーゲン、アップル、ナイキ、無印良品など名高い企業の製品やサービスがやり玉に挙げられた。
監視カメラで行動追跡も
しかし、今年は従来のスタイルから一変し、ネット上の個人情報の取り扱い問題がクローズアップされた。
中国の企業が店内に設置した監視カメラを使って、消費者の顔データを収集し、顔認識システムでその人の行動を追跡する事例や、大手…
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