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アップル「iPhone新OS」でプライバシー強化の狙い

石野純也・ケータイジャーナリスト
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iOS 14.5では右のような画面で同意を取らないとアプリが利用者情報を追跡できなくなる
iOS 14.5では右のような画面で同意を取らないとアプリが利用者情報を追跡できなくなる

 アップルは、近日中に配信するiPhoneのOS(基本ソフト)「iOS 14.5」で、プライバシー保護の機能を強化する。新機能は、2020年6月の世界開発者会議(WWDC)で導入を公表していたもので、利用者の個人情報追跡の透明性を高めるのが狙いだ。アップルによると、利用者自身が情報を公開する範囲をコントロールできることが、この機能の利点だとしている。

アプリはさまざまな個人情報を取っている

 背景には、アプリが利用者のさまざまな情報を取得していることがある。iOSには、IDFA(Identifier for Advertisers=広告識別子)と呼ばれる個人情報を集約する機能があり、アプリの利用履歴によって、利用者の年齢、性別、居住地、趣味などの属性を分析、推計している。これが最適化された広告を出すのに利用されてきた。

 これまでのiOSでも、利用者の選択でアプリのIDFA取得を制限することはできたが、iOS 14.5ではこれを一歩進め、アプリがIDFAを使う際に利用者の同意を必要とする。

 その仕組みは、以下のようなものだ。利用者がiOSを14.5にアップデートすると、すべてのアプリがいったんIDFAにアクセスできなくなる。アプリ開発者がIDFAを取得したいときには、iOS 14.5用にアプリをアップデートし、利用者を追跡している旨を告知し、同意を得る必要がある。アップルによると、単に追跡している事実を伝えるだけでなく、なぜIDFAを取得するのかの理由も説明しなければならない。

 また、設定のメニューで、利用者情報を追跡しているアプリを一覧できるようになる。同意の取得はアプリごとに…

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石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。