海外特派員リポート

「新疆綿使わない」H&Mが中国で批判の矢面に立つ理由

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北京市内のショッピングモールにあるH&Mの店舗。人影はまばらだ=2021年4月5日、小倉祥徳撮影
北京市内のショッピングモールにあるH&Mの店舗。人影はまばらだ=2021年4月5日、小倉祥徳撮影

 中国新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族が過酷な労働を強いられているとして、外資系衣料品大手が新疆産綿を使用しない方針を打ち出したことが波紋を広げている。中国では3月下旬以降、これに反発した不買運動が起きているからだ。

 最初に標的となったスウェーデンのH&Mは売り上げへの影響が避けられない情勢だ。今回の不買運動は中国の国営メディアなどが主導した「官製運動」の側面もあるだけに、事情は複雑だ。

 中国で日本のお彼岸に当たる「清明節」の連休最終日(4月5日)。北京市中心部のショッピングモール内にあるH&Mの店舗を訪ねると、2フロア分の広い売り場にいた買い物客は10人にも満たなかった。

 近くにある独アディダスの店舗も閑散としていた。H&Mの真向かいにあるスペインのZARAの売り場は、週末にふさわしいにぎわいを見せていただけに落差が目立った。筆者はH&Mの売り場から出てきた何人かに話を聞こうとしたが、いずれも足早に立ち去られてしまった。

国営放送などが突然批判

 H&Mが新疆綿を使用しない方針を表明したのは昨秋だが、3月24日夜、SNS上で中国国営新華社通信が突然、「(H&Mは)虚偽の事実を流している」、国営中央テレビが「中国で大もうけしているのに中国を中傷している」などと批判を展開した。

 アリババ集団や京東集団など、中国の大手インターネット通販サイトや地図アプリでは一斉にH&Mの商品や店舗所在地を検索できなくなった。

 H&Mは同日夜、「いかなる政治的立場も示していない」などとする声明を発表したが、翌25日に中央テレビは「次はナイキ、アディダスだ」と投稿。ネット上では不買運動を呼びかけ…

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