産業医の現場カルテ

在宅ワークの上司が不安に思う「新入社員」との接し方

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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 IT関連企業で働く伊藤さん(仮名、40代女性)は人事を担当しています。会社は昨年、急ごしらえでテレワーク(在宅勤務)を導入し、なんとか業務を行ってきました。しかし新年度を前に、管理職などから「4月になると人事異動があり、新入社員も入るとチームが混乱しないか不安だ」といった声が聞かれるようになりました。

管理職から不安の声

 この会社の産業医である私は、今年の2月に伊藤さんからオンラインで相談を受けました。社内ではテレワークを始めて以降、管理職と部下の双方から「コミュニケーションに難がある」といった声がちらほら聞かれましたが、会社全体の業務が滞ったり、社員に健康被害が出たりするなどの大きな問題は起きていませんでした。

 しかし、管理職の中には、今後もテレワークが続いて、異動者や新入社員を迎え入れる場合、どう対応すればよいかがわからないという人が多くいました。

 伊藤さんは「これまで接点の少なかった人同士がテレワークで一緒に仕事をすることに不安を感じている従業員が少なくありません。人事としてできることを教えてください」といいます。

新入社員の質問が少なかったのは……

 新型コロナ禍が収まりません。積極的にテレワークを続けている企業からは、異動者や新入社員への対応に悩んでいるという声を耳にしています。…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。