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ビッグデータで解明「コロナ10万円給付金」何に使った

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 新型コロナウイルス感染症の緊急経済対策として2020年、全国民に一律10万円の特別定額給付金が実施された。各種調査によると、多くが貯蓄に回り効果は限定的だったという見方が多い。だが、給付金が振り込まれた銀行口座の動きを分析するビッグデータ研究からは、より詳しい実態が見えてくる。

所得増えても消費手控え

 特別定額給付金は事業費12兆8803億円とコロナ対策でも飛び抜けた巨大事業だった。コロナ禍を受けた家計への迅速な支援が目的で、落ち込んだ消費の刺激策という狙いもあった。

 だが実際の給付は遅れに遅れた。当初、困窮世帯に30万円を給付することを閣議決定したが、公明党の反発から一律10万円給付に組み替え、補正予算成立は20年4月30日までずれ込むドタバタになった。オンライン申請の混乱も重なり、給付は夏ごろまでかかった。

 効果はどうだったのか。総務省「家計調査」で探っていこう。

 2人以上勤労者世帯の可処分所得は20年月平均で49.9万円。前年比4.6%増と大きく伸び00年以降最高となった。一方、消費支出は30.6万円と同5.6%減った。

 可処分所得から消費支出を引いて求める「家計の黒字率」は15年から上昇傾向にあったが、20年は38.7%と前年より6.6ポイントも跳ね上がった。20年7~9月期の貯蓄(現預金・有価証券・保険)は1383万円と前期比29万円増えている。

 つまり、一般的な家計では、給付金は所得を押し上げたものの、コロナ禍で消費を手控えたことから、そのぶんは貯蓄に回った構図だ。

 これは給付金の使い道を聞いた民間調査でも裏付けられる。三菱総合研究所が20年7月、5000人に行…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。