
人手不足のなか、マンション管理会社が「管理委託費」の値上げに動いている。マンション管理組合の通常総会は5、6月に集中するが、それを前に値上げを提示されたという管理組合は少なくない。このため「管理費」全体の見直しに乗り出すマンションも出てきた。
管理員の人件費が上昇
管理組合は、管理会社に管理業務を委託する費用として管理委託費を支払っている。その中身は、管理員の人件費、清掃費用、建物・設備の点検やさまざまな手続きの費用など多岐にわたる。
最近、この管理委託費を値上げする動きが目立つ。従来、マンションの管理員は定年退職者が就くことが多かったが、定年後の再雇用が定着した影響から、人手不足や高齢化が深刻化しており、管理員の人件費が上昇しているのが主因だ。
管理委託費は、マンション各戸の所有者が管理組合に納める管理費が原資だ。ただし、管理費には、管理委託費以外の費用もある。機械式駐車場の保守費用▽エレベーターの保守費用や電気代▽共用部の水道光熱費▽保険料や税金▽電球や清掃用具など消耗品の費用――などだ。
管理委託費は値上げが避けられないことから、管理組合のなかには、管理費の中身を見直して、管理委託費以外の支出を減らすことを検討するところもある。
エレベーター保守管理「会社変更は?」
管理組合が管理費を精査し、その中身を見直すのは本来、望ましいことだ。だが、いざ実行するとなると、意外に難しい。
なぜだろうか。マンションの管理費や管理委託費の水準、管理会社に委託する業務内容などは、不動産会社が新築分譲時にあらかじめ設定している。管理組合の設立前からすでに決まっているため、管理組合はその…
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