ニッポン金融ウラの裏

地銀再編の導火線?「ユニゾ融資」不良債権化の懸念

浪川攻・金融ジャーナリスト
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ユニゾホールディングスが売却したオフィスビル=東京都中央区で2021年5月3日撮影
ユニゾホールディングスが売却したオフィスビル=東京都中央区で2021年5月3日撮影

 経営が悪化している不動産会社、ユニゾホールディングス(本社・横浜市中区)に対し多額の融資をしている地域金融機関が、これをどう処理するか注目を集めている。多くの地銀が貸し倒れ引当金の積み増しを迫られ、損失を計上するとの情報が金融業界を駆け巡り、「地銀再編の導火線になる」という臆測も飛び交っている。

 ユニゾホールディングスはもとはみずほ銀行の親密先企業で、賃貸ビルやホテル運営を主力としてきた。東証1部上場だったが、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)と米投資ファンドの買収合戦が起きた。二転三転し、別の米投資ファンドがスポンサーとなって同社従業員による自社買収(EBO)が行われ、2020年6月に上場を廃止した。

 ところが上場廃止後に経営状況が急激に悪化した。資産売却を進めてきたが、新型コロナウイルス問題も加わって資金繰り懸念が強まり、融資が不良債権化するリスクが多くのメディアから指摘されている。

「いまは動けない」の声も

 同社の半期報告書によると、20年9月末時点の借入金は1960億円、社債は1040億円。融資先や社債の引受先は地銀、信用金庫、信用組合、県信連など地域金融機関が多い。もともとユニゾのメインバンクだったみずほ銀行は、すでに融資を全額回収している。大手行もほぼ融資回収を終えており、今のユニゾにメインバンクはない。

 地域金融機関は財務基盤が弱いところが多く、仮に多額の貸し倒れ引当金を計上すれば赤字転落の可能性もあることから、波紋が広がっている。融資先企業に関する経営状況の説明をメインバンクから受けることもできず、地銀などは“右往左往”を続けている。

 こうしたなか、一部…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。