東芝問題リポート

東芝「社外取締役は本当に機能したか」弁護士に聞く

今沢真・経済プレミア編集部
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オンライン会見で車谷暢昭前社長の辞任理由を説明する永山治氏=2021年4月14日、東芝ホームページから
オンライン会見で車谷暢昭前社長の辞任理由を説明する永山治氏=2021年4月14日、東芝ホームページから

“東芝買収騒動”中島茂弁護士に聞く(2)

 英投資ファンドによる東芝への買収提案と車谷暢昭前社長の辞任。買収提案をめぐって起きた“騒動”で、東芝のガバナンス(企業統治)は機能したのか。企業法務に詳しい中島茂弁護士に聞くシリーズの第2回は、社外取締役が果たした役割について聞きます。【聞き手・今沢真】

 ――英ファンドの買収提案への対応や、車谷氏の辞任に際し、社外取締役である永山治・取締役会議長(元中外製薬会長)が重要な役割を果たしました。永山氏は指名委員会の委員長を務め、車谷氏の辞任を主導したとみられています。一連の動きはガバナンスが機能したと言えるのでしょうか。

 ◆中島茂弁護士 報道などで経過をたどると、東芝の指名委員会、とくに委員長を務める永山氏がいろいろな情報を集め、車谷氏に社長を辞任してもらう判断をしたように見えました。その判断はいいと思いますが、プロセスを説明すべきでした。

 東芝を非上場にする買収提案がなされ、車谷氏が「取締役会で議論する」と前向きな姿勢を見せました。その一方で、東芝社内の幹部を対象に2~3月に実施されたアンケートでは「車谷氏への不信任」が半数を超えていたことも報じられました。

 こうした動きを背景に永山氏が車谷氏と会い、車谷氏が辞意を伝えたと報道されています。報道だけで、実際にはどうだったのかが外部には見えてきません。指名委員会が何をどう判断したかが説明されませんでした。よくある「密室の役員人事」のイメージです。透明性があったとはとても言えません。

 <東芝は不正会計の反省を踏まえ、社外取締役が取締役の過半数を占め、社長らの業務執行を監視している。取締役会…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。