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企業型の確定拠出年金「高コスト投信」は誰の怠慢?

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 老後資金作りのための確定拠出年金(DC)は、会社が社員のために導入する企業型DCと、個人が任意で加入する個人型「イデコ(iDeCo)」がある。最近、運用商品の品ぞろえで、企業型がイデコに比べて見劣りするケースが目立ってきた。大半を占める投資信託で運用コストがなかなか下がらないのだ。

企業型DCとイデコの違い

 DCは公的年金に上乗せする私的年金で、掛け金を個人ごとに区分し、加入者が運用する。企業型DC、イデコともに、掛け金には課税されず、投信などの運用益も非課税になる税制上のメリットがある。

 企業型DCは、会社が運営する退職金制度の一種だ。会社が掛け金を拠出(負担)し、社員が運用する。導入企業は増えており、加入者は2021年2月末で約751万人と、民間会社員の5人に1人に及ぶ。

 イデコは、国民年金に上乗せする「2階部分」という位置づけで、個人が金融機関に申し込んで口座を設け、自分で掛け金を負担して運用する。

 17年1月に対象が専業主婦や公務員に広がり、20~59歳の現役世代は誰でも加入できる。加入者は21年2月末で約189万人と、ここ5年で7倍以上になった。

 現在、企業型DCに加入している場合、イデコに加入することはほぼできないが、法改正で22年10月から、原則として企業型DCとイデコの併用が可能になる。

イデコで進んだ「低コスト化」

 DCは、金融機関が商品ラインアップを作り、加入者はその中から商品を選ぶ。その中心は国内外の株式、債券などで運用する投信だ。

 投信を買うと保有資産の額に応じた手数料「信託報酬」がかかる。イデコについて、金融機関各社の商品ラインアップをみると、信…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。