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南海電鉄が実験中「VISAタッチ改札」は浸透するか

土屋武之・鉄道ライター
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「VISAタッチ改札」の実証実験を実施している南海電鉄
「VISAタッチ改札」の実証実験を実施している南海電鉄

 新型コロナ感染症の拡大防止策の一つとして、キャッシュレスサービスの利用が推奨されている。公共交通機関では「Suica」(スイカ)など交通系ICカードが主流だが、2021年4月3日から南海電鉄(大阪市)が「VISAのタッチ決済」で駅の改札を通過できるようにする実証実験を始めた。実施は12月12日まで。大手鉄道会社が駅の自動改札に導入するのは日本で初めてだ。

 「VISAタッチ」は支払いが少額の場合に使える電子決済で、対応するクレジットカード、デビットカードなどを専用端末にタッチするだけで決済が完了する。日本では交通系ICカードが電子マネーとしても普及しているので目立たないが、すでに一部の大手スーパーやコンビニなどでは利用可能だ。欧州などの都市部では、交通機関の一般的な決済手段としても利用が広がりつつある。

 日本の公共交通機関では、ローカル鉄道の京都丹後鉄道が、2020年11月25日から普通列車などで採用している。同鉄道には自動改札がなく無人駅も多い。無人駅で乗降の際は、タッチ決済対応のVISAカードを列車内のカードリーダーにかざし、運賃の支払いをする。南海の場合は駅改札口の専用端末に、スイカなどと同様にタッチすればよい。

「VISAタッチ」使い心地は?

 南海の実証実験では、なんば、和歌山市、関西空港など主要16駅にVISAタッチ用の端末機が設置され、これらの駅間の移動に限り利用可能となっている。私もデビットカード機能があるVISAカードを持っているので、実験開始直後の4月7日に河内長野駅からなんば駅への移動で試してみた…

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土屋武之

鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。