職場のトラブルどう防ぐ?

「週20時間で社保加入の損得は」32歳主婦パートの悩み

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A子さん(32)は、夫と6歳、4歳の子どもと暮らす専業主婦です。下の子が幼稚園通いに慣れてきたので、今年からパート勤務を始めようと、結婚前に就いていた医療事務職を募集していた複数のクリニックの面接を受けました。そのうち二つから採用の連絡がありましたが、社会保険の取り扱いが異なり、どちらで働くか迷っています。

労働条件は大差なし

 二つのクリニックの労働条件は、いずれも週20時間勤務、時給1100円で月9万円程度の収入の見込みです。勤務時間帯も通勤時間も大差はありません。違いは社会保険の加入の有無です。一方からは「週20時間でも社会保険(厚生年金と健康保険)に加入してもらう」と言われました。

 夫は「月9万円程度であれば、自分の扶養家族でいられるので社会保険に入らなくてもよいのでは」と言います。社会保険に加入すれば、A子さんの手取りは減ります。また、夫が会社から支給されている月1万円の家族手当もなくなります。

 A子さんは、目先のことだけを考えれば夫の言うことも一利あると思いました。しかし、求人広告に「社会保険完備」と大きく書いている会社があるため、社会保険の加入にはメリットがあるように感じています。

社会保険の仕組み

 社会保険について説明します。一般的に求人広告で「社会保険」という場合は、会社…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/