
ソフトバンクG最高益となったワケ(2)
2021年3月期の連結決算で、日本企業として過去最高となる約4.9兆円の最終利益を上げたソフトバンクグループ(SBG)。孫正義会長兼社長は5月12日の決算発表会見で「5兆円近い利益はたまたまだ」と謙遜し、「反省すべき点は反省している」と漏らした。
どういうことか。SBGは世界で「ユニコーン」と呼ばれる企業価値の高い未公開のベンチャー企業を中心に21年3月期は224社に投資し、14社が新規上場した。しかし、すべての投資先が順風満帆というわけではない。
今年3月には投資先の英金融企業「グリーンシル・キャピタル」が経営破綻した。20年3月期決算では、シェアオフィスを運営する米ウィーワークカンパニーが乱脈経営で巨額の損失を計上し、大赤字の要因となった。投資先を読み間違えるリスクは今後も否定できない。孫氏は当然、「反省している」とした。
「見逃し三振」反省している
ところが孫氏は「それ以上に反省しているのは、素晴らしい会社への投資を見逃したことだ」という。
投資家として目利きを自負する孫氏は、この1年、人工知能(AI)関連のベンチャー企業への投資機会をいくつか逃したと考えているようだった。
「野球でいえば、見逃し三振みたいな打席がいくつもあった。謙虚に受け止めるべき課題だと思っている」とも語った。
さらに「これからは継続的に利益が出せるようにしたい。バクチのように…
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