東芝問題リポート

「東芝社長と物言う株主」決算説明会でガチ対決!

今沢真・経済プレミア編集部
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“物言う株主”の質問に答える東芝の綱川智社長=2021年5月14日、東芝ホームページから”
“物言う株主”の質問に答える東芝の綱川智社長=2021年5月14日、東芝ホームページから”

 英投資ファンドの買収提案と車谷暢昭・前社長の辞任という“騒動”から1カ月たった東芝は5月14日、2021年3月期の決算説明会をオンラインで開いた。報道陣がインターネットを通じて取材するその場で、“物言う株主”の投資ファンド2社が、機関投資家として質問に立ち、「株主との対話」を掲げる綱川智社長と質疑を繰り広げた。この異例の事態を詳しく報告する。

 この日の決算説明会は、まず、綱川氏ら経営陣が決算説明を45分間行った。その後、報道関係者との質疑を20分、アナリスト・機関投資家との質疑を20分行った。アナリスト・機関投資家との質疑は、ふつうは証券会社のアナリストら数人が、業績の先行きなどを質問する。ところが、今回はその途中で、投資ファンド2社が司会の指名を受けて相次いで質問した。

東芝の第2位と第3位株主

 指名されたのは、東芝の株主第2位で、株式の7.2%を保有するシンガポールの資産運用会社3Dインベストメント・パートナーズ。それに、第3位で同5.37%を保有する米運用会社ファラロン・キャピタル・マネジメントだ。

 質問の口火を切ったのはファラロンだった。ファラロンはまず、東芝の監査委員長を務める社外取締役の再任に異を唱えた。この社外取締役が、不透明とされた昨年の定時株主総会の採決手続きに関し、調査を指揮する立場だったためだ。さらに、英ファンドによる株式非公開化の買収提案を、経営陣が正面から検討しなかったことを問題視し、非公開化を積極的に検討するよう求めた。

 一方、3Dは「東芝の株式を非公開化する提案を、ファンドから…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。