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コロナ禍のキャッシュレス決済「QRとクレカ」の明暗

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 現金志向が強い日本では、政府がキャッシュレス決済を推進し、消費に占めるキャッシュレス決済比率を2025年までに40%にする目標を掲げる。コロナ禍では「非接触」の支払い手段としてキャッシュレスが注目され利用も増えているが、QRコード決済が勢いを増す一方で、主役の座にあるクレジットカードが伸び悩むなど、明暗が分かれている。

ポイント還元事業が効果

 日本のキャッシュレス決済比率は15年で約18%と、欧米や中国など「キャッシュレス先進国」の40~60%台と大差がある。政府は、店舗の効率化▽税収の向上▽ビッグデータ活用▽新産業創出――などのメリットが大きいとして、キャッシュレス決済を推し進める方針だ。

 19年10月の消費増税では、消費者がキャッシュレスで中小店舗から買い物をすると最大5%をポイント還元する事業を20年6月まで実施した。中小店舗ではキャッシュレス端末がないのがネックだったが、端末を導入すれば負担が実質ゼロとなる補助も設け、浸透を図った。

 ポイント還元事業の事務局となったキャッシュレス推進協議会によると、端末を導入した店舗は27%から37%に広がり、消費者側も20~60代の約5割が新たにキャッシュレス決済を始めたり支払いを増やしたりするなどの効果があったという。

 コロナ禍では「非接触」という点からキャッシュレス決済を選ぶ人も増えているようだ。国際会計事務所KPMGが20年、世界16カ国約1万9000人の消費者に行った意識調査では、日本では決済に「現金」を選ぶ人は20年2月は80%だったが、9月には39%に減るなど変化が大きい。

 経済産業省によると19年のキャッシュレス決済…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。