経済プレミアインタビュー

「1年半前から準備」ダイドー社長が明かした鬼滅缶戦略

井口彩・大阪本社経済部記者
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「鬼滅の刃」とコラボした「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」(左)と「絶品カフェオレ」=Ⓒ吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
「鬼滅の刃」とコラボした「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」(左)と「絶品カフェオレ」=Ⓒ吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 あのヒット商品は1年半前から準備していた――。ダイドードリンコが発売した人気アニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」のキャラクターをラベルにあしらった缶コーヒー(通称「鬼滅缶」)が、大ヒット商品となった。発売された2020年10月に鬼滅の刃は劇場版が公開されて国民的人気を博したが、ダイドーはその1年半も前から鬼滅缶の準備を進めていた。満を持して投入した鬼滅缶戦略とはどんなものだったのか。親会社、ダイドーグループホールディングス(大阪市北区)の高松富也社長(44)に聞いた。【聞き手は毎日新聞大阪経済部・井口彩】

 ――鬼滅缶は発売から約3週間で5000万本超、21年3月までに1億本を販売する記録的な売り上げとなりました。

 ◆正直、想像以上のヒットでした。だんだん(鬼滅の刃の)人気が高まりつつあったので、「これはかなりヒットするだろう」と目標や計画は立てていましたが、それを大きく上回る結果になりました。昨年度上半期の当社の売り上げは新型コロナウイルスの影響で非常に苦戦しましたが、下半期にこのキャンペーンが成功したことで売り上げが増加傾向になり、業績面でも非常にプラスになりました。

 ――鬼滅缶がヒットした理由は何でしょうか?

 ◆これまで当社の缶コーヒーを買ってくれていた人ももちろんですが、それ以外の新たなお客さんを獲得できました。従来の缶コーヒーのユーザーは、特に「ダイドーブレンドコーヒー」は歴史が長いこともあり40代前後の男性がメインでした。今回は鬼滅の刃が幅広い年齢層に人気だったことで、若い10代や20代、男性に限らず女性、さらに小さい子供からお年寄りまで、これまであまり缶コーヒーを飲んだり自動販売機を使ったりしてこなかった人たちが手に取ってくれました。

 ――鬼滅缶を発売するきっかけは何だったのでしょうか?

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井口彩

大阪本社経済部記者

 2017年毎日新聞社入社。新潟支局を経て2021年4月から大阪本社経済部。埼玉県出身。