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自社株200億円を買ったソフトバンク社長“10年の計”

今沢真・経済プレミア編集部
決算会見で自社株購入について説明したソフトバンクの宮川潤一社長=2021年5月11日
決算会見で自社株購入について説明したソフトバンクの宮川潤一社長=2021年5月11日

 携帯大手ソフトバンクは5月11日、2021年3月期決算の記者会見を開き、4月に副社長から昇格した宮川潤一社長(55)が登壇した。宮川氏は、報道陣から自身の200億円分の自社株購入について尋ねられ、狙いや平均購入価格を明らかにした。そのやりとりを報告する。

 この日の記者会見は、まず宮川氏が決算内容を説明し、その後に質疑が行われた。記者の一人が尋ねた。

 「1カ月ほど前に、宮川社長が会社から200億円を個人で借り入れて自社株を購入するとの発表があった。株価が下がれば懐が痛むが、どういう思いがあったのか」

 記者が聞いたとおり、ソフトバンクは4月1日、宮川社長の自社株買いを発表した。購入は同2日から証券会社に一任して行うとのことだった。200億円は会社から借金し、創業者の孫正義氏(63歳、ソフトバンクグループ会長兼社長)が、借金を個人保証することも明らかにされていた。

平均購入価格は1435円

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。