「わたし」の働く・生きる新常識

少数派としての女性を照らす「フェムテック」の光

本橋敦子・毎日新聞経済部記者
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多様な背景を持つ人々が働く「多様性経営」の実現が企業の死活問題になっている
多様な背景を持つ人々が働く「多様性経営」の実現が企業の死活問題になっている

 女性の心身の健康課題をテクノロジーで解決しようと誕生した「フェムテック(Femtech)」。日本では最近認知され始めたが、欧米では「未開拓の巨大市場」として企業の投資が相次ぎ、世界市場は2025年までに5兆円規模に拡大する見通しだ。なぜここまで注目されているのか。米シリコンバレーに拠点を置き、欧米のフェムテック事情に詳しいデロイトトーマツベンチャーサポートのセントジョン美樹マネジャーに聞いた。【聞き手・毎日新聞経済部/本橋敦子】

フェムテック最前線・セントジョン美樹さんに聞く

 ――欧米では日本に比べてフェムテックが発展しています。

 ◆日本以上に女性の社会進出が進む欧米では、高齢出産が増えており、妊娠・出産とキャリアの両立が当たり前に議論されています。男女格差が縮まり、政治・経済の女性リーダーが増え、女性が「声」を持つようになったことがポイントです。17年ごろから「#MeToo(私も)」運動が国境を超えて盛り上がったのを機に、投資、医療の分野における男女格差是正の機運が高まったことも大きいでしょう。

 ――特に米国においてフェムテックの成長がめざましいです。

 ◆人口が増え続けている米国では、39歳以下の若い世代が人口の半数を超え、30年には7割近くに達するという予測もあります。

 バイデン政権による男女格差是正の要請もあり、企業間で人材獲得競争が激しさを増す中で、妊娠・出産や育児と向き合う若い世代を対象にした福利厚生や従業員向けプログラムがないと優秀な人が集められないという事態が起きています…

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本橋敦子

毎日新聞経済部記者

 1992年、茨城県水戸市生まれ。2015年、早稲田大学文化構想学部卒、毎日新聞社入社。仙台支局で東日本大震災の被災地を取材し、19年5月から東京本社経済部。コンビニや食品、商社業界など民間の現場を幅広く担当。20年4月からは通信、IT・デジタル業界、総務省を取材している。