日本人が知らない中国ビジネス最前線

進化する中国ロボット技術「完全無人レストラン」登場

趙瑋琳・伊藤忠総研主任研究員
  • 文字
  • 印刷
中国のロボットレストランでは、配膳ロボットが料理をテーブルまで運んでくれる=中国・天津市で2018年11月9日、赤間清広撮影
中国のロボットレストランでは、配膳ロボットが料理をテーブルまで運んでくれる=中国・天津市で2018年11月9日、赤間清広撮影

 2021年1月中旬ごろ、筆者の出身地・中国東北部の遼寧省瀋陽市が新型コロナウイルスのPCR検査にロボットを導入し、話題を呼んだ。現地では「世界初のロボット」と報道されていた。

 中国の中でも沿海地域に比べ経済発展が遅れている瀋陽から、このようなニュースが出るのにちょっと驚いた。具体的な作業としては、医療従事者が検体採取の位置確認などの遠隔操作を行い、ロボットが採取と保管を担うという。ロボットの導入で接触感染を防ぎながら検査業務の効率化も図れることになり、まさに一石二鳥だ。

コロナ前から導入の動き

 中国では昨年、コロナとの闘いで医療機関や隔離用ホテルに医療物資や食事などを運ぶロボットの活躍が注目された。でも中国ではコロナ前から、製造業やサービス業を中心にロボットを導入する動きが盛んだった。

 その好例として、中国南部の都市、広東省仏山市をあげたい。同市は近年、「機器換人」(人間の労働力にとってかわる機械の導入)のスローガンの下、ロボットや人工知能(AI)技術の活用などを通じ、製造業のスマート化を積極的に推し進めてきた。

 その結果、工場の自動化と無人化が進み、既に400超の企業が「機器換人」を実現している。

レストランの接客・調理・配膳も

 また、仏山市に本社を置く大手デベロッパー「碧桂園(カントリーガーデン)」は18年からロボット産業に参入し、「無人ロボットレストラン」の運営を手掛け…

この記事は有料記事です。

残り629文字(全文1225文字)

趙瑋琳

伊藤忠総研主任研究員

 趙瑋琳(ちょう・いーりん)。1979年、中国瀋陽市生まれ。2002年に来日。08年東工大院社会理工学研究科修了、博士号取得。早大商学学術院総合研究所、富士通総研を経て19年9月から現職。専門は中国経済、デジタルイノベーションと社会・経済への影響など。プラットフォーマーやテックベンチャーなど先端企業に詳しい。早大商学部非常勤講師も務め、論文執筆・講演多数。近著に「チャイナテック 中国デジタル革命の衝撃」(東洋経済新報社)。