毎日家業×創業ラボ

コロナ禍を乗り切る「マイクロツーリズム」のメソッド

星野佳路・星野リゾート代表
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星野リゾートが青森県の奥入瀬渓谷で運行したオープンバス=同社提供
星野リゾートが青森県の奥入瀬渓谷で運行したオープンバス=同社提供

 星野リゾートは、自宅から1、2時間圏内のリゾートで過ごす「マイクロツーリズム」の展開で、コロナ禍を乗り切ろうとしています。その手法とはどんなものなのでしょう。そこから見える地域創生のヒントとは。代表の星野佳路さんが解き明かします。

星野佳路の家業のメソッド

 新型コロナウイルスの感染拡大は、時期により異なりますが、かなり地域差があります。首都圏などで感染が広がっている時期であっても、九州や北海道では落ち着いた状況になっているということがあります。

 そうした時に、感染拡大エリアから感染が収束しているエリアに行くことは難しい。しかし、九州や北海道の中、あるいは近い場所であれば、旅行を楽しむことができるわけです。

 コロナ以前、日本人による海外旅行は年間3兆円の規模がありました。これに対し、訪日外国人旅行客によるインバウンドは年間4・8兆円でした。コロナ禍によって、この4・8兆円を失ったとしても、海外旅行をしていた人たちによる3兆円分が日本国内に戻ってくる計算になります。

 こうした中で、自宅から1、2時間圏内での家族旅行、個人旅行をする「マイクロツーリズム」の需要は非常に強いものがありました。私たちは予想以上の成果を上げることができたと考えています。

 しかし、施設ごとの「魅力」を普段とは少し変えないといけない。これまでは、地域らしさや、地域の食材を中心に準備していましたが、マイクロツーリズムでは、地元の方々に楽しんでもらえるよ…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。