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米株のバブル崩壊を予見「異常なSPACとビットコイン」

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加熱する金融市場(米ニューヨーク証券取引所) (Bloomberg)
加熱する金融市場(米ニューヨーク証券取引所) (Bloomberg)

 世界の株式市場は、最高値更新を続ける米国主要株価指数にけん引され、景気回復期待の下で高値を追い続けてきた。年初来の米国長期金利の急上昇で株価の勢いも止まるかに思われたが、インフレは一時的と断言する米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和姿勢やバイデン政権の積極的な財政政策に支えられ、小幅な上下動を繰り返しながらも高値圏を維持している。とはいえ、現在の金融市場に脆弱(ぜいじゃく)性がないとは言い難い。局所的に観測される過熱状態や荒れ模様は、バブル的土壌が生み出す特有の現象と言ってもよいかもしれない。

 確かに現在、2000年のドットコム・バブルや08年のサブプライムローン・バブルの際に見られたような、熱狂的な状況にあるわけではない。だが、長期的な金融緩和に慣れ切ったリスク管理の甘さが、昨今の金融界に充満していることは否めない。

「裏口」から新規公開

 その一例が、ファミリーオフィスと呼ばれる米個人資産運用会社「アルケゴス」との取引において、主要金融機関が合計1兆円を超える巨額の損失を計上した問題である。高いレバレッジでの運用を行う相手に対するリスク管理は極めて重要な作業であったはずなのに、目先の高収益に目がくらんだとしか思えない。それは、金融界に横行する「リスク感覚まひ」の氷山の一角なのかもしれない。

 さらに、昨秋以来、米国で「SPAC(スパック)」と呼ばれる特別買収目的会社の上場が急増していることも、金融市場における気の緩みを感じさせる現象である。SPACは企業買収を目的として作られた会社であり、企業を買収しようとSPACを上場するスポンサー、SPACに買収されて上場銘柄となる企業…

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