スルガ銀行 不正の構図

不動産で“カモ”にされた外国人「日本は好きだけど」

今沢真・経済プレミア編集部
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エリックさんが購入した中古マンションの非常階段
エリックさんが購入した中古マンションの非常階段

外国人の購入者たち(4)

 東京都内で暮らす米国人男性、ジョージさん(40代、仮名)が手伝っていた不動産管理会社に、カナダ人男性のエリックさん(仮名)から「不動産投資に興味がある」と連絡があったのは2014年のことだ。ジョージさんはスルガ銀行の行員から紹介された都内の不動産仲介業者に連れて行った。

 エリックさんも40代で、都内の外資系金融会社に勤めて5年ほどたっていた。仲介業者は名古屋市の繁華街、栄にある築30年の8階建てマンションを勧めてきた。見に行くと、デパートも近く人がにぎやかな地区だった。諸経費を含め、購入費3億8000万円を全額、スルガ銀行が融資するという。

 金利4.5%で、業者から「2年後に他行への借り換えが認められ、金利は半分になる」と説明された。外資勤めで収入はそれなりにある。節税になるとも言われ、買う気になった。消費税率が5%から8%に上がる直前の14年3月末、エリックさんはスルガ銀行渋谷支店を訪れ、契約に署名した。

 2年後にメガバンクの一行に借り換えを相談した。すると、業者から説明された鉄筋コンクリート造りでなく、鉄骨造りで物件の価値が低いと言われ、借り換えを断られた。購入後にもらった検査済証に、日本語でそう書いてあったという。その後空室が増えて家賃収入が減り、修繕の費用を出せない状況だ。

「5億円まで借りられる」

 エリックさんと同じ外資系企業に勤めていた米国人のブラッドさん(40代、仮名)は16年から17年にかけて、中古マンション4棟を立て続けに購入した。場所は大阪府、神戸市、奈良県、そして東京都町田市。4物件合わせて4億6000万円の全額を、スルガ銀…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。