メディア万華鏡

新垣さんと星野さんの「逃げ恥婚」めぐる“時代遅れ報道”

山田道子・元サンデー毎日編集長
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女優の新垣結衣さん(左)と俳優でミュージシャンの星野源さん
女優の新垣結衣さん(左)と俳優でミュージシャンの星野源さん

 「ミーハーな職場は大騒ぎ中」。女友達からLINEが飛び込んできた。「私の周囲も!」と返した。

 女優の新垣結衣さんと俳優でミュージシャンの星野源さんが結婚するという速報が流れた直後のこと。よくある職場結婚だが、2人が共演したテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)のテーマが「契約結婚」だっただけに「逃げ恥婚」とメディアは大いに盛り上がった。

 ドラマ「逃げ恥」は、大学院卒なるも派遣切りで求職中の森山みくり(新垣さん)が、家事代行スタッフとして津崎平匡(星野さん)に雇われる。

 みくりは親が定年退職で田舎に引っ越すことになり、1人暮らしが難しくなった。このため、住み込みで家事をする契約結婚を提案し、合意とあいなる。月給は19万4000円。

結婚や家事とは何か

 ドラマは結婚や家事とは何かを問いかけた。「『逃げ恥』にみる結婚の経済学」(毎日新聞出版)を共著で出したエコノミストの是枝俊悟さんは「結婚による夫婦の役割分業が昭和の時代にはうまく回っていました。みくりたちが始めた契約結婚は、夫が妻に『給料を支払う』という点は目新しいものの、やっていることは『昭和の結婚』と非常によく似ています」と語る。

 さらに「『内助の功』といったものがいくらであるのかは明確ではありませんでした。みくりと平匡はこれをはっきり契約で決めたことが『昭和の結婚』との大きな違いです」とも指摘した(経済プレミア連載「『逃げ恥』にみる結婚の経済学」)。

 家事労働が有償であるべきかどうかは過去、大きな論争になってきた。ドラマは期待を裏切らず、2人は本当に結婚する。それに至る際の会話は結婚と家事の関係をついた。

 ドラマでは…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。