熊野英生の「けいざい新発見」

外国人が流出?コロナ禍の「人口25万人急減」の要因

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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コロナ禍で空港の国際線ターミナルは閑散としている(羽田空港の国際線出発ロビー)=2020年12月28日、手塚耕一郎撮影
コロナ禍で空港の国際線ターミナルは閑散としている(羽田空港の国際線出発ロビー)=2020年12月28日、手塚耕一郎撮影

 コロナ禍で人口減少が加速している。速報性のある総務省統計局の人口推計によると、2021年5月1日現在の総人口は1億2536万人で前年比マイナス0.42%(概算値)だった。コロナ感染が広がり始めたほぼ1年前の2020年3月は前年比マイナス0.22%で、マイナス幅が0.2ポイントも拡大した。

 筆者は当初、これはコロナ感染による死者数増が原因だと考えた。しかし確認すると、コロナによる死者数は約1万2000人である。総人口の0.2%に相当するのは約25万人なので、コロナに関連した死者数以外に原因がある。

 さらに調べると、外国人の減少が大きいことがわかった。人口統計では、総人口から日本人の人口を除くと外国人の人口(日本に3カ月以上滞在している外国籍の人)になる。コロナ直前は前年比11%も伸びていた外国人人口が直近ではマイナスに転じた。そのインパクトがマイナス25万人に相当している。コロナ禍で自国に帰ったままになっているのだ。

外国人労働者がいなくなった

 外国人が減少する背景に、サービス業の労働需要の急減がある。ほんの少し前まで、飲食店やコンビニには多数のアジア系の店員がいたが、その風景はがらりと変わっている。

 だが、コロナ感染はいずれ収束する。対面での個人向けサービスが再び必要になれば、サービス業の労働需要は急回復するだろう。その時、需要に比例して外国人労働者が再び日本に来られる体制をすぐに整備できるかどうか。ワクチン接種を入国の条件にするかどうかなど入国制限をどうコントロールしていくかが課題になると思われる。

 そして、人口に関して、いずれ大問題になりそうなのが出生数の減少である。厚…

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熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。