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キオクシア・ソニー奮闘も存在感薄れる日本の半導体

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ソニーは長崎の新製造棟を稼働
ソニーは長崎の新製造棟を稼働

長期凋落 世界で薄れる日本の存在感

 英国の市場調査会社OMDIAの調べでは、日本の半導体メーカーの2020年の売上高総額は、前年比1・6%増の434億ドルだったが、これは、世界全体の半導体企業の成長率10・4%より1桁低い。日本メーカーのシェアの9割近くを占める大手10社の平均成長率も、5・2%増と世界平均の半分だったが11位以下の中小メーカーは19・7%減という悲惨な状況だった。

 20年はコロナ禍により在宅勤務や遠隔学習の浸透による特需でデータセンターや高性能パソコン(PC)の需要が伸び、スマートフォンに関しては5G(第5世代移動通信システム)への世代交代が進んだことも追い風で、これらの最終製品で使われる半導体が大きく売り上げを伸ばしたが、日本勢はその恩恵にほとんどあずかれなかった。

 OMDIAのシニアコンサルタントの前納秀樹氏は「世界的に売り上げが伸びたデータセンターやPCやスマホで存在感を示す電機メーカーはもはや日本には存在せず、それに呼応して半導体事業も勢いを失ってしまった」と分析している。

強みが残るデバイス

 日本最大の半導体企業はNANDフラッシュメモリー(電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリー)専業のキオクシア(旧東芝メモリ)である。20年、世界のNAND市場が24%成長した恩恵で、同社の売り上げも23%伸びたが、世界半導体企業の売上高ランキングでは11位トップにとどまっている。

 キオクシアは、四日市工場(三重県)で第7製造棟の建設を進めており、第1期工事は22年春に完成予定である。さらに、同社は、北上工場(岩手県)で2番目の製造棟の建設を22年に始…

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