
スルガ銀行の不正融資をめぐり弁護士約50人が結成した「スルガ銀行不正融資被害弁護団」が6月1日、オンライン説明会を開いた。中古アパートやマンションを1棟丸ごと購入し、多額の借金を抱え返済できなくなっている購入者約150人が参加した。弁護団は銀行と対決姿勢を鮮明にするため、借金返済を即時停止するよう購入者に呼びかけた。
銀行の不動産融資をめぐり、弁護団が多数の購入者に「返済停止」を呼びかけるのは前例がない。2018年に発覚したシェアハウスの不正融資では銀行側が譲歩し、購入者が物件を手放すことを条件に事実上、借金を免除する解決策で合意した。しかし同行はアパート、マンション問題では同様の解決策を拒否しており、弁護団と全面対決する異例の展開となった。
改ざんがあれば受任
弁護団の共同団長を勤める河合弘之、山口広両弁護士は、シェアハウス向け不正融資でも弁護団を率いてきた。今回はアパート、マンション向け不正融資に絞って新たに弁護団を組織した。
弁護団はこの日の説明会で、給与明細、預金通帳、家賃一覧表など融資審査書類の偽造・改ざんが確認されれば、購入者から銀行との交渉を受任することを明らかにした。また、改ざんが確認できなくても相場を大きく上回る高値で購入したことが明白な場合も受任するという。
弁護団は交渉の狙いを「高値で購入させたことを不法行為だとスルガ銀行に認めさせる。そのうえで、市場価格との差額を損害賠償分として借金と相殺させる」と説明した。事実上、融資元本の大幅カットを求める内容だ。シェアハウスと同じ解決策は、銀行側の協力が得られないと実現が難しいとし、仮に銀行が受け入れればシェア…
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