産業医の現場カルテ

「産業医のワクチン体験記」職域接種はどう対応する?

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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新型コロナウイルスワクチンの自衛隊大規模接種会場でワクチン接種の様子を実演する自衛隊の看護官ら=2021年5月17日午前9時51分、手塚耕一郎撮影
新型コロナウイルスワクチンの自衛隊大規模接種会場でワクチン接種の様子を実演する自衛隊の看護官ら=2021年5月17日午前9時51分、手塚耕一郎撮影

 新型コロナウイルスのワクチン接種は、4月に高齢者向けが始まり、6月下旬からは職域での接種を始める方針を政府が示しています。産業医である私は医療従事者として、4月下旬と5月中旬にファイザー社製のワクチンを接種しました。医師として接種の担い手にもなるからです。今回は、接種の体験をお伝えし、職場で現役世代が接種する際の対応を考えます。

予約方法などは自治体で異なる

 今回の新型コロナワクチンは、いわゆる新薬です。そのため、接種に不安を感じる人も多いでしょう。私自身は、世界中で数億回の接種が行われ、発熱や痛みなどの副反応の情報やデータ、すでに接種を終えた知り合いの医療従事者の状況を把握できていたので、大きな不安を感じることはありませんでした。

 ワクチン接種の流れは、私の場合はこうでした。自治体から接種券や問診票が配布されていたので、接種当日は、問診票を記入した上で、外出前に体温を測り、車で医療機関を訪れました。体温が37.5度以上の場合、基本的に接種できません。接種の予約方法や会場は自治体により異なるので、お住まいの自治体の案内を確認しましょう。

 医療機関では、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどいずれかで本人確認をし、問診票の記入漏れがないかをチェック後、医師の問診を受けます。問診票と医師の問診で「接種可能」と判断されたら、接種の場に移ります。

 接種する部位は、肩の上から指3…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。