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「仕事辞めよう」つらい女性の更年期を救う技術の力

本橋敦子・毎日新聞経済部記者
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 更年期障害を理由に、35~59歳の女性の3人に1人が仕事を辞めたり、仕事を辞めようと悩んだりしたことがあり、3人に2人は昇進の辞退を検討したり、実際に辞退したりしたことがあるという。家族やパートナーにもつらさを理解してもらえず、一人悩む人も少なくない。これだけの大問題なのに、今まで直視されてこなかったのは、社会の風潮や医療制度にも問題があるようだ。女性の心身の健康課題をテクノロジーで解決しようと誕生した「フェムテック(Femtech)」は、こうした状況に風穴を開けようとしている。【本橋敦子/経済部】

「誰にも相談できない」孤独感

 「何科に行けばいいのか(分からない)」「男性の理解が得られない」「誰にも相談できない」――。更年期などの悩みを医師にチャットで個別相談できるサービスを展開するスタートアップ企業「TRULY(トゥルーリー)」が、更年期の女性に実施したインタビューでは、孤独感を訴える声が次々に寄せられた。

 更年期は、女性が月経を終える時期のことをいい、一般的に45~55歳ごろを指す。卵巣機能が低下して女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく減少し、心理的、社会的原因が重なると、心身に不調が表れやすくなる。

 突然、体が熱くなったり顔が紅潮したりする「ホットフラッシュ」や発汗を経験する女性は、全体の約6割。倦怠(けんたい)感やうつ、不眠……。更年期は誰にでも訪れるが、症状は個人差が大きい。

 30代から「プレ更年期」などと呼ばれる症状が表れる人もいるし、加齢に伴って泌尿器や生殖器の萎縮が進み、…

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本橋敦子

毎日新聞経済部記者

 1992年、茨城県水戸市生まれ。2015年、早稲田大学文化構想学部卒、毎日新聞社入社。仙台支局で東日本大震災の被災地を取材し、19年5月から東京本社経済部。コンビニや食品、商社業界など民間の現場を幅広く担当。20年4月からは通信、IT・デジタル業界、総務省を取材している。