メディア万華鏡

なぜ終了?映画館「レディースデー」で気づく男女格差

山田道子・元サンデー毎日編集長
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TOHOシネマズの「レディースデー」は終了となるが、水曜日の割引対象は広がる
TOHOシネマズの「レディースデー」は終了となるが、水曜日の割引対象は広がる

 こんな時に?と思ってしまった。TOHOシネマズが水曜日の「レディースデー」をやめ、7月14日の水曜日から「TOHOウェンズデー」をスタート、男女ともに1900円の鑑賞料金を1200円にするという。理由は「『誰でも』オトクに映画をご鑑賞いただける、より多くの機会をご提供いたします」というものだ。

 シングルの私としてはかねて、夫婦のどちらかが50歳以上だと2人で2400円の「夫婦50割引」のほうが「なぜ?」だった。同じくシングルの女友達と「『夫婦です。2人とも50歳以上』と言ってみようか」と画策したこともあったが、「夫婦50割引」も終了となった。

「男性差別」なのか

 「レディースデー」終了といっても水曜日の割引対象を広げるものなのであまり話題にはならなかったようだが、いくつかのメディアが取り上げた。

 東京新聞6月3日朝刊「ニュースの追跡」は「レディースデーなぜ見直し?」と問いかけた。記事によると、TOHOシネマズの広報担当者は「経緯や理由は答えられません」とぴしゃり。「性差別や性的マイノリティーにどう向き合うかは、映画界の関心事」「今の時代にレディースデーを続けることで、『遅れている』とみられるのを避けたのではないか」という映画評論家の前田有一さんの見方を紹介した。

 アサ芸Biz(5月25日配信)は「女性の社会進出が当たり前になり、働き方も人それぞれという時代では、ターゲットを女性だけに絞るよりも客の間口を広げたほうが売り上げにつながるからでしょう」(メディアライター)と解説した。

 東京新聞が伝えるTOHOシネマズの広報担当者の対応からは、性の多様性に配慮したというより、「レディースデーは…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。