けいざい多面鏡

第三者委座長が驚いたLINE社長の“不適切な説明”

今沢真・経済プレミア編集部
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LINEの個人情報管理に不備があった問題を受け、記者会見する同社の出沢剛社長=東京都港区で2021年3月23日午後7時47分、玉城達郎撮影
LINEの個人情報管理に不備があった問題を受け、記者会見する同社の出沢剛社長=東京都港区で2021年3月23日午後7時47分、玉城達郎撮影

 無料通信アプリ「LINE(ライン)」の個人情報管理に不備があった問題で、親会社のZホールディングスが設けた第三者委員会が6月11日、第1次報告を公表した。報告では、問題発覚後の3月23日に出沢剛・ライン社長が行った記者会見で、韓国で保管していたデータの国内移転に関して不適切な説明があったことを明らかにした。

「アルバム」の韓国からの移転は3年後

 出沢氏は記者会見で、韓国のデータセンターで保管しているラインのトークの画像、動画、ファイルを6月に国内に移転すると説明した。また、ライン公式アカウントの画像、動画、ファイルは8月までに国内移転を完了すると説明した。

 ところが実際には、ラインの「アルバム」内の画像を韓国から国内に移転するのは「2024年上半期」を予定しており、3年後であることがわかったという。アルバムはグループやトークルームのメンバーが閲覧するために画像を保存する機能だ。

 また「キープ」と呼ばれる機能で保存したデータを韓国から国内に移転するのは「22年上半期」であり、1年後になることも判明した。キープは自ら閲覧するためにライン上でテキストや画像、動画を保存する機能だ。

調査の過程で発覚

 第三者委の報告は、宍戸常寿座長(東大大学院教授)がオンラインで記者会見し公表した。6月に移転するとしたライン社の発表について「画像、動画などが完全に日本国内に移転するとユーザーに受け止められるのが自然。ユーザーファースト目線および正確な情報提供を目指す意識の欠如があった」と厳しく指摘した。

 さらに、「このようなことが二度と起こらないように、速やかなガバナンス(企業統治)体制の構築を求…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。