ニッポン金融ウラの裏

金融機関は戦々恐々「マネロン審査の結果報告」

浪川攻・金融ジャーナリスト
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 マネーロンダリング(マネロン=資金洗浄)防止やテロ資金対策のために設置された国際機関「金融活動作業部会」(FATF、本部・パリ)が、日本の金融機関を対象に行った査察の審査結果を近く報告する見通しだ。金融庁や金融機関は現状、マネロン防止の態勢構築などに関して相当厳しい指摘が盛り込まれると予想し、戦々恐々としている。

 FATFは主要7カ国首脳会議(G7サミット)の経済宣言にもとづき1989年に設置された。G7を含む35カ国・地域と、欧州委員会(EC)など2地域機関が加盟し、加盟国が互いに取り組み状況を定期的に審査する「相互査察」を行ってきた。日本はこれまで3次にわたる査察を受けており、今回は2019年10~11月に実施された第4次査察の審査結果となる。

 本来は20年に審査結果が出るはずだった。ところが、新型コロナウイルス感染状況の深刻化で順延され、査察から2年近くが経過する異例の事態となった。

銀行、証券トップからヒアリング

 査察はそのたびにテーマが設定されてきた。08年に実施された第3次対日査察は、マネロン防止関連法規の整備など、政府の対応状況に重点が置かれた。第4次査察では金融機関のマネロン防止態勢の構築などがテーマとなり、FATF関係者がメガバンク、証券会社など各業態のトップから個別にヒアリングを行った。

 金融庁は第4次査察の終了後、いくつかの対応策を実施してきた。たとえば今年2月、金融機関にマネロン防止態勢の強化を促すため、マネロンに関するガイドラインを改正した。4月28日には各業界団体に向け、改正ガイドラインに沿った態勢の整備を24年3月末までに完了するよう要請した。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。