
アップルはこのほど、アップル製品の開発者向けに毎年行う世界開発者会議(WWDC)を開催。iPhoneに搭載される新しいOS(基本ソフト)のiOS 15、iPad用のiPadOS 15、アップルウオッチ用のwatchOS 8などを発表した。
昨年のiOS 14は、アプリの一覧を便利に表示する「ウィジェット」を進化させるなどiOSのデザインを大幅に見直したが、今年のiOS 15は、どちらかというと各機能に磨きをかけた印象だ。コロナ禍のライフスタイルの変化に合わせた新機能を盛り込んだ。iOS 15は今年秋ごろにリリース予定。
フェイスタイムの機能が進化
iOS 15の最大の目玉は、ビデオ通話アプリの「フェイスタイム」の機能を充実させたこと。コロナ禍でリモートワークや遠隔授業が進む中、ビデオ会議ツールの利用が急増したが、ズームやマイクロソフトのチームスなどの利用が増えた一方で、フェイスタイムを使う人は多くなかった。フェイスタイムは、どちらかといえば電話機能の延長で、ビデオ会議に必要な各種機能が十分でなかったからだ。
新バージョンのフェイスタイムには、こうした弱点を補う機能を搭載した。
一つ目は、会議の場を予約する機能。メールやメッセンジャーで開催予定を送ることが可能になり、カレンダーへの登録にも対応した。指定された時間にアクセスすれば、ビデオ会議が始まる。二つ目は、ブラウザーでの利用にも対応した。アンドロイドのスマホや、ウィンドウズパソコンからもアクセスできるようになり、利用者の幅を広げる。
ほかにも、自分が映っている画面の背景をボカしたり、資料の画面を共有できるようにしたりするな…
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石野純也
ケータイジャーナリスト
1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。