経済記者「一線リポート」

山積みのバスタオルに見た コロナ禍の「負の連鎖」

町野幸・毎日新聞経済部記者
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ホテルから回収したタオルを仕分ける従業員=神奈川県厚木市の「テーオーリネンサプライ」厚木工場で2021年5月17日、町野幸撮影
ホテルから回収したタオルを仕分ける従業員=神奈川県厚木市の「テーオーリネンサプライ」厚木工場で2021年5月17日、町野幸撮影

 収束が見えない新型コロナウイルス禍と長引く緊急事態宣言。記者は飲食店やホテルにタオルやテーブルクロスなどを提供するリネンサプライ業者の工場に足を運んだ。そこから見えてきたのは、営業自粛や利用客減少の影響が関連業界に連鎖的に広がっていく厳しい現実だった。【町野幸】

リネンサプライ業界から悲鳴

 記者は財務省担当として主に税に関する取材に当たっているが、四半期に1度発表される国内総生産(GDP)などの統計をはじめ景気動向に関する報道も守備範囲だ。これまで、緊急事態宣言の発令下で苦境にあえぐ飲食店や観光業者の悲痛な声をたびたび伝えてきた。しかし、コロナの影響は消費者には直接見えない形でさらに幅広い業種に及んでいるはずだ。その実態を探ろうと思いついたのがリネンサプライ業界への取材だった。

 応じてくれたのは、創業38年の歴史を持つ「テーオーリネンサプライ」(東京都品川区)。5月半ばに神奈川県厚木市にある同社工場を訪れた。延べ床面積約4500平方メートルの2階建て工場の構内では、ずらりと並んだ最大100キロの大型洗濯機や乾燥機が音を立て、約100人の従業員が手際よくシーツを折りたたんでいる。

 この工場には、主に首都圏のホテルや飲食店で使われたシーツやバスタオル、タオルなどが通常時で1日約27トン運びこまれ、クリーニングや修繕を施して再び配送される。工場内を案内されて目にとまったのが山積みとなったクリーニング済みのバスタオルだ。「ホテ…

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町野幸

毎日新聞経済部記者

 1983年東京都生まれ。民放テレビ局記者などを経験後、2017年毎日新聞社入社。千葉支局を経て、2020年4月から東京本社経済部。流通業界や財務省などを担当。