海外特派員リポート

少子化に悩む中国「3人目出産容認」が不人気なワケ

小倉祥徳・毎日新聞中国総局(北京)特派員
  • 文字
  • 印刷
少子化が急速に進む中国=北京市内で2021年6月11日、小倉祥徳撮影
少子化が急速に進む中国=北京市内で2021年6月11日、小倉祥徳撮影

 少子化問題を巡る中国当局の対応が迷走気味だ。2020年の国勢調査では、14歳以下の人口が10年前の前回調査より増えたが、これまで発表した推計出生数の合計と大きく食い違うことが判明。当局は過去データの修正を始めると発表した。その後、中国共産党は3人目の出産を認める方針を新たに示したが、中国国民の反応は冷ややかだ。中国で今、何が起きているのか。

「二人っ子政策」に効果?

 「出産政策の調整は積極的な効果を収めた」。中国国家統計局の寧吉哲局長は5月11日に行った記者会見で、16年に「一人っ子政策」を撤廃し、2人目の出産を認めた意義を強調した。20年時点の14歳以下の人口が2億5338万人と、10年の前回調査より3092万人増え、全人口に占める割合も17.95%と、1.35ポイント増えたためだ。

 だが、対象となる06~20年の出生数を合計すると2億3900万人となり、政府発表の2億5338万人より1400万人も少ないことがSNSなどで話題となった。すると統計局は17日、過去10年分の推計値を修正する方針を明らかにした。

 16年の出生数は元々1786万人だったのが1883万人、17年は1723万人だったのが1765万人になるという。10年に1度の国勢調査以外の年は、抽出調査による推計値のため、一定の誤差が生じるのはやむを得ないが、あまりにも差が大きく、過去の統計の精度が問われかねない事態となった。

人口統計の信頼性問う声も

 そもそも中国の人口統計を巡っては、信頼性を疑問視する声が以前から出ている。5月11日発表の今回の国勢調査で総人口は14億1178万人となり、19年の推計値14億5万人から…

この記事は有料記事です。

残り857文字(全文1557文字)

小倉祥徳

毎日新聞中国総局(北京)特派員

東京都生まれ。2001年入社。秋田支局を経て06年から東京経済部で財務省、内閣府、経済産業省、国土交通省、日銀、証券、エネルギー業界などを担当。17~19年には中部本社でトヨタ自動車などを取材した。東京経済部、外信部を経て20年10月から経済担当の中国総局(北京)特派員。