鉄道カメラマン見聞録

国鉄の遺伝子を継承「JR東海313系」が運ぶ郷愁

金盛正樹・鉄道カメラマン
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名古屋周辺の都市部を走る313系の5000番台車。座席は転換クロスシートで、6両編成が基本となっている=愛知県の東海道線・木曽川-尾張一宮間で2007年2月、金盛正樹撮影
名古屋周辺の都市部を走る313系の5000番台車。座席は転換クロスシートで、6両編成が基本となっている=愛知県の東海道線・木曽川-尾張一宮間で2007年2月、金盛正樹撮影

JR東海の標準型普通電車313系

 今回はJR東海の在来線普通電車の標準型と言える「313系」を紹介します。313系のデビューは1999年です。それまで大多数を占めていた国鉄型車両の世代交代を目的に開発されました。以降、2014年まで製造が続き、総数539両という同社の在来線電車の約半数を占める大所帯となりました。そんな313系の魅力とは何でしょうか。

 313系の外装は現在の鉄道車両のスタンダードであるオールステンレス製の銀色車体ですが、乗務員室のある前方部は一般的な鉄鋼製で、この部分だけ白く塗装されています。

 前面窓には側面まで回り込む曲面ガラスのパノラミック・ウインドーを採用し、連結時に乗客の行き来ができるよう貫通扉を備えたデザインとなっています。これは国鉄時代の流れをくんだものと言えます。

どんな風景にも映える

 ところで、313系は都市部の通勤需要に対応するだけでなく、ローカル線の輸送も担っています。そのため同じ形式の車両を多彩な風景の中で撮影できるのが、鉄道カメラマンとして313系を撮る楽しみとなっています。

 313系は車体にコーポレートカラーであるオレンジ色の帯を巻いているのですが…

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金盛正樹

鉄道カメラマン

 1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。