けいざい多面鏡

お尻に火?日産社長「赤字回避したい」遅すぎ決意表明

今沢真・経済プレミア編集部
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日産自動車の株主総会で発言する内田誠社長=2021年6月22日(同社提供)
日産自動車の株主総会で発言する内田誠社長=2021年6月22日(同社提供)

 日産自動車は6月22日、横浜市西区の本社で定時株主総会を開いた。内田誠社長は「3期連続の赤字決算はなんとしても回避したい」と述べ、2022年3月期連結決算の最終(当期)損益を黒字にしたい考えを明らかにした。

 日産は20年3月期に最終損失6712億円、翌21年3月期に同4487億円と2年連続の巨額の赤字決算となり、危機に陥った。海外工場閉鎖などリストラを進めたが、今年5月に公表した22年3月期の業績見通しは最終赤字600億円と、3年連続の赤字決算を見込んでいる。

 600億円という赤字見込み額は、約9兆円の売上高に比べかなり少額だ。この程度の赤字見通しを公表すること自体が、内田氏の業績への自信のなさの表れといえる。

 上場企業が「3年連続の赤字」になれば、普通は経営責任を問われる。内田氏は業績がどん底になった19年12月に社長に就任したため、現状、責任を問う声は広がっていない。ただし、実際に22年3月期が赤字になれば、経営への不信感は広がるだろう。

 このため、この日の内田氏の発言は「赤字回避への自信」ではなく、お尻につきはじめた“火”を意識した、遅ればせの「決意表明」といっていい。

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。