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邦銀が米銀に比べて稼げない「決定的要因」は何か

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ITに多額の費用を投じる米銀 (Bloomberg)
ITに多額の費用を投じる米銀 (Bloomberg)

 上場銀行全体(メガバンク、地方銀行)における2021年3月期の当期利益は、3.1兆円(前期比1.2%減)で着地した。

 当初は新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されたが、リーマン・ショック後のような赤字転落どころか、前々期のふくおかフィナンシャルグループの巨額の負ののれんという特殊要因を調整すれば増益と、結果は上々であった。

 しかし、米国の銀行と比べると色あせてしまう。邦銀と同じ20年4月から21年3月に合わせた商業銀行(貯蓄金融機関を含む)の当期利益は前年同期比6.5%増の22.4兆円(米連邦預金保険公社「FDIC」調べ)だった。コロナからの回復軌道に乗った1~3月は特によかった。

 コロナのリバウンドの恩恵ばかりではない。比較可能なデータがある1997~2020年(邦銀は3月期)の粗利益をそれぞれの国の物価動向を調整した実質ベースで比較すると、米銀は7割増えているが、邦銀は3割低下している。

 まず、マイナス金利で資金利益が大きく落ち込んでいる点はやむを得ないだろう。しかし、加えて非金利利益についても差は大きい。邦銀も投信窓販の解禁などで実質ベースで3割増と善戦しているが、米銀は7…

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