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接種に前向きなシニア女性「ワクチン後」に望むことは

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
看護師からワクチンの接種を受ける女性(右)=2021年6月12日、小宅洋介撮影
看護師からワクチンの接種を受ける女性(右)=2021年6月12日、小宅洋介撮影

 私が所属する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、6月4~7日に「新型コロナウイルス ワクチン接種に関する意識調査」をウェブ上で行い、50~85歳の女性471人から回答を得ました。シニア女性は、ワクチン接種に前向きである一方、ワクチンに対して不安と期待が入り交じる結果となりました。

接種する意向は9割超

 調査では、「ワクチン接種についてどうお考えですか(7の選択肢から一つを選択)」と質問しました。調査時点で「既に接種した」が14.9%でした。「なるべく早く接種したい」の52.2%を合わせると65%超がワクチン接種に積極的といえます。

 そして「周囲の様子を見てから」が13.4%、「効果や副反応が検証できてから」が11.7%でした。こうした条件があるものの、接種する意向がある人は9割超と見ることができるでしょう。

 一方で、「接種したくない・接種するつもりはない」は5.7%、「分からない・決めていない」は2.1%にとどまりました。

 また、「ワクチンによる感染収束にどの程度期待していますか(5の選択肢から一つを選択)」の質問では、「期待している」が42.5%、「まあ期待している」が39.5%で、合わせて82.0%でした。

具体的な不安や困りごとは

 ただ、ワクチン接種に対しては不安を感じるシニア女性は少なくありません。

 「接種に不安を感じますか(5の選択肢から一つを選択)」という質問には…

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株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。