イマドキ若者観察

知らないのに懐かしい「昭和レトロ」若者に人気の秘密

藤田結子・明治大商学部教授
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若者はカラフルなクリームソーダに「懐かしさ」を感じ、インスタグラムに投稿するという
若者はカラフルなクリームソーダに「懐かしさ」を感じ、インスタグラムに投稿するという

 若者の間でレトロブームが起きています。5月19日にリニューアルオープンした「西武園ゆうえんち」(埼玉県所沢市)では、多くの若者が昭和の町並みを再現したアトラクションを楽しんでいます。なぜ昭和を体験していない若者に「昭和レトロ」が人気なのでしょうか。

1980年代が「レトロ」?

 大学生に調査したところ、「クリームソーダ」「フィルムカメラ」「銭湯」「文明開化」などの言葉にレトロを感じるという意見が多く聞かれました。「レトロ」という言葉からは、昭和に関わること以外も連想され、時代に一貫性はないようです。

 このような「レトロ」イメージはどのように形成されたのでしょうか。大学生たちの話によると、「親」「マスメディア」「SNS」が主な情報源でした。今の学生の親の年齢は40~50代が中心です。昭和レトロについて聞くと、若者たちは次のように語りました。

 「親がチェッカーズが好きで。親がご飯の時とかに歌ってたから、テレビのBGMとかで使われてるとチェッカーズってわかる。ギンガムチェックを使った衣装で、すごいかわいかった」(20歳、女性)

 「母の影響で東京への憧れというかイメージがあった。だから東京へ来て結構違ってショックだった。自分が想像してたのは、親が読んでたマンガにあった90年代の東京だったんだ」(21歳、男性)

 以前の「昭和レトロ」ブームは、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)の影響もあり、1950~60年代が中心とされていました。しかし、今の学生たちは80~90年代まで「昭和レトロ」に関連づけていました。

 親世代にとっては、自分の青春時代が「レトロ」だと認識されるのは、驚きかも…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。