
東芝は6月25日、東京都内で定時株主総会を開き、取締役11人を選任する会社提案の議案が採決された。社外取締役で取締役会議長を務める永山治・元中外製薬会長、監査委員を務める小林伸行氏の2人の選任が反対多数で否決された。綱川智会長兼社長ら残る9人の取締役選任は賛成多数で可決された。
ガバナンスへの不信が背景に
株主総会前に公表された外部弁護士による調査報告書が、東芝の昨夏の定時株主総会をめぐり、執行部が経済産業省に働きかけ、“物言う株主”である海外投資ファンドに株主提案を取り下げるよう圧力をかけたなどと指摘した。
これを受け、東芝のガバナンス(企業統治)への不信感が高まっており、海外投資ファンドや、公的ファンドなどが、永山氏ら2人に反対票を投じたとみられる。
東芝は当初、13人の取締役選任を求める議案を提出。調査報告書を受けて社外取締役2人について選任を取り下げていた。さらに採決で2人が否決されたことで、当初の提案から計4人が選任されなかったことになる。
永山氏は4月に表面化した英投資ファンドの買収提案への対応や、車谷暢昭・前社長の辞任、さらに今回の調査報告書の対応などで、取締役会の中…
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