スルガ銀行 不正の構図

また紛糾「怒号のなか質疑打ち切り」スルガ銀株主総会

今沢真・経済プレミア編集部
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スルガ銀行の株主総会終了後、会場前で横断幕を掲げる購入者たち=静岡県沼津市で2021年6月29日、今沢真撮影
スルガ銀行の株主総会終了後、会場前で横断幕を掲げる購入者たち=静岡県沼津市で2021年6月29日、今沢真撮影

スルガ銀・株主総会ルポ(上)

 富士山を間近に望む静岡県沼津市の中心部で6月29日、今年も怒号飛び交う株主総会が行われた。中古アパート、マンション向け融資での不正をめぐり、購入者と対立するスルガ銀行(本店・同市)の総会だ。購入者が株主として出席し議長席に詰め寄り、大混乱した総会を報告する。

 総会はJR沼津駅前のイベント施設で開かれた。午前10時、議長席に立った嵯峨行介・同行社長が開会を宣言した。途端に株主席から「不正を認めろ」の声が上がり、「認めろ! 認めろ!」の手拍子が始まった。

 2018年にシェアハウスをめぐる不正融資が発覚して以降、同行の株主総会で抗議が続いている。シェアハウス問題は事実上の借金帳消しで解決した。今回、株主席を埋めたのは、同行の融資で中古アパート、マンションを購入した人たちだ。

 億円単位の借金を背負い、家賃収入が乏しく返済できなくなった購入者が今年5月、「スルガ銀行不正融資被害者同盟」と名乗る団体を発足させた。審査書類の偽造などで過剰融資が行われたとして同行の責任を追及している。この日、支援者を含め100人ほどが、株主として新型コロナウイルス対策で間隔を空けた株主席に座った。

事業報告、議案説明は4分

 一般的な株主総会は事業報告、議案説明などに20~30分かける。ところが嵯峨社長はすべて「株主総会の招集通知に記載のとおり」として説明を飛ばし、開始から4分後に株主との質疑応答に入った。

 嵯峨氏が「質問は1人1問」としたのに、株主の1人がかみついた。「コロナのリスクを冒しても多くの人が集まった。すべての質問に回答するまで総会を続けていただきたい」と「動議」を提出した。

 「そうだー!」「質問させろー!」の声にかきけされて嵯峨氏の発言は聞き取り…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。