
中米バスの旅編(1)
南北アメリカ大陸をつなぐ中米の地峡部分には、七つの小さな国が連なり、パンアメリカンハイウエー(実態は曲がりくねる2車線路)でつながっている。北西側のグアテマラとベリーズ、南東側のパナマには訪問経験があったが(「パナマ 狭い地峡が運河を生みインカ帝国滅亡を早めた」参照)、中間の4カ国は未訪問だった。そのコスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドルを、国際バスに乗って縦断してみたのは、新型コロナウイルスの感染が広がる直前の、2020年1月の正月明けである。
ヒューストン経由で首都サンホセへ
行きは成田から米国のヒューストン乗り換えでコスタリカの首都サンホセへ。そこからバスでエルサルバドルの首都サンサルバドルへ1000キロ余りを移動し、帰りはサンサルバドルからメキシコ市経由で成田へ。行きの搭乗時間は12時間プラス4時間。帰りは2時間プラス15時間。往復とも、乗り換え空港で一度入国しなければならない仕組みが少々面倒だ。
現地時間の昼過ぎに着いたサンホセ空港は、野生動物や美しい鳥類が目玉のエコツアーに訪れた欧米人観光客でごったがえしていた。ビザも書類書き込みも不要で、係官も感じがいいが、ピークに合わせた人員配置がないようで、入国審査に長い列がある。税関検査にも再度並んで、外へ出るのに1時間半を要した。
サンホセは北緯10度の熱帯地域にあるが、東西に延びる2000メートル級の二つの山脈に挟まれた、標高1000メートル少々の盆地の町で、訪れた乾期は日本の初夏のような気候だ。予約していたタクシーで、所要20分で着いた小さなホテルは、花の咲き乱れる中庭を持った…
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