スルガ銀行 不正の構図

スルガ総会「議長席に詰め寄った100人」の切迫事情

今沢真・経済プレミア編集部
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スルガ銀行株主総会終了後、記者会見する弁護団
スルガ銀行株主総会終了後、記者会見する弁護団

スルガ銀・株主総会ルポ(下)

 6月29日のスルガ銀行の株主総会では、株主との質疑応答の途中で、100人近い株主が「被害者の声を聞け」などと議長席に詰め寄った。議長を務めた嵯峨行介社長は着席を求めたが株主は席に戻らず、質疑は打ち切られた。新型コロナウイルスの感染リスクもあるなかで、彼らをこうした行動に駆り立てたのは何なのか。

 株主総会には「スルガ銀行不正融資被害弁護団」の弁護士4人が株主として出席した。弁護団は、同行から融資を受けて中古アパート、マンションを購入し、返済困難になった144人から調査を受任した。

 弁護団によると、114人は30代から60代までで、40代半ばのサラリーマンが最も多い。2棟以上購入している人が大半で、6棟購入している人もいる。融資の残額は1人平均2億円弱だという。

購入者の絶望、家庭崩壊

 弁護団の共同団長を務める河合弘之弁護士がこの日株主として質問に立ち、次のように訴えた。「彼らは年収700万円で借金3億円を背負わされ、毎月借金を返してきたような人たちだ。日々、絶望感しかない。家庭は崩壊して、『なんてばかなお父さん』と子供から口をきいてもらえない。こういう状況が続くと、自殺者が出るんじゃないか」

 発言を聞いた周囲の株主(購入者)から、「もう死んでるぞ!」の声…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。