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増えるフリーランス「万一の収入減」足りない生活保障

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 フリーランスとして自由に働く人が増えている。コロナ禍でテレワークが普及し、柔軟に働く環境が身近になったことも追い風だ。だが、社会保障や労働法に関しては、雇用されて働く場合と異なり、収入減や病気・けがなどに備えるセーフティーネットが薄い。政府は「安心して働ける環境整備」を掲げるが動きは鈍い。万一の備えとして生活防衛が欠かせない。

事業主と雇用のはざま「政府試算で462万人」

 フリーランスは、実店舗を持たず、人を雇っていない事業主で、経験・知識・スキルを活用して収入を得る就業形態だ。企業と雇用関係はないが、委託された業務を行って報酬を得る点で、立場は雇用されて働く会社員など労働者に近い。このため「雇用類似の働き方」と呼ばれる。

 雇用類似の働き方自体は新しくはない。1970年代には主婦らが自宅でミシン縫製などを行う内職の従事者が200万人を超えていた。

 ここに来て注目されるのは、働き方をめぐる環境変化がある。企業がインターネットで不特定多数に仕事を発注する「クラウドソーシング」が広がり、単発の業務を引き受ける「ギグワーカー」が世界的に増えた。料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員が代表格だ。さらに、日本では、副業や兼業の裾野が広がっている事情もある。

 政府は2020年2~3月に行った調査でフリーランスを462万人(本業214万人、副業248万人)と試算した。一方、クラウドソーシング大手のランサーズは21年1~2月に行った調査で、フリーランスは1670万人で20年比57%増えたと試算した。ランサーズ調査は、1年以内の単発業務をした場合も広く対象に含めるため、規模が大きいようだ。

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。