経済記者「一線リポート」

SKG、イタコナ、メタゲジ?パナソニック用語集の謎

井口彩・大阪本社経済部記者
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パナソニック本社敷地内にある創業者・松下幸之助氏の銅像=大阪府門真市で2021年6月30日、井口彩撮影
パナソニック本社敷地内にある創業者・松下幸之助氏の銅像=大阪府門真市で2021年6月30日、井口彩撮影

 「SKG」「イタコナ」「メタゲジ」……。新しいアイドルグループの名前に、イタリア料理の略称、はたまたゲームに出てくるモンスター? 実はこれ、パナソニックの社内で使われている言葉だ。最近では社内サイト上にこれらを集めた「用語集」まであるという。作ったのは同社の中途採用社員が立ち上げたサークルのメンバー。SKGはどんな意味? 用語集はなぜ必要に? 取材を進めると、変わりつつあるパナソニックの現状が見えてきた。

 用語集は、社内サークル「キャリクロ」のメンバーが作成。2016年にエンジニアリング会社から転職した代表の宮島勇也さん(39)らが19年12月、「『ゆるくつながることができる同期』が欲しい」とつくった組織だ。パナソニックには毎年、国内で大卒・大学院卒は700人程度が入社する。こうした新卒社員は、研修などを通じて同期同士のつながりを作りやすい。一方、中途採用者は年齢やキャリアもさまざまで、新卒同士に比べると関係作りのハードルが高くなりがち。そうであるなら同じ境遇の人たちで交流できる環境を作ろうと、中途採用の社員数人でサークルを結成した。

中途採用者のサークル活動が起点に

 サークル名の「キャリクロ」は「キャリアクロスオーバー」の略。パナソニックでは中途採用を「キャリア採用」と呼ぶ。異なる経験をしてきた人たちが交差(クロスオーバー)するような場所を作り、そこでしかできない何かを生み出したい、との思いを込めた。現在は約400人が参加し、社内のチャットグループで仕事の相談をしたり、不定期でオンラインの懇親会を開いたりしている。

 そんな「キャリクロ」の活動の一環で今年4月に誕生したのが「パナソニック用語集」だ。用語ごとに意味を解説し、社外で同じ意味で使われる「標準語」も紹介されている。まずは記事の冒頭で紹介した用語の答え合わせをしてみよう。

モノづくりに根ざした言葉がズラリ

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井口彩

大阪本社経済部記者

 2017年毎日新聞社入社。新潟支局を経て2021年4月から大阪本社経済部。埼玉県出身。