環境エネルギー最前線

脱炭素で「もの言う株主」となった環境NGOの狙いとは

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
  • 文字
  • 印刷
インタビューに答える気候ネットワーク理事の平田仁子さん=東京都千代田区で2021年6月25日、内藤絵美撮影
インタビューに答える気候ネットワーク理事の平田仁子さん=東京都千代田区で2021年6月25日、内藤絵美撮影

平田仁子・気候ネットワーク理事に聞く(中)

 「環境分野のノーベル賞」と呼ばれる「ゴールドマン環境賞」を受賞した環境NGO「気候ネットワーク」理事・平田仁子(きみこ)さんへのインタビューは、気候変動対策が議案となった今年の株主総会に話が及んだ。大手メガバンクの株主総会で脱炭素を訴え、「もの言う株主」として活躍した平田さんに活動の狙いを聞いた。【聞き手は経済プレミア編集長・川口雅浩】

 ――そもそも「気候ネットワーク」とは、どんなNGOなのですか。

 ◆平田仁子さん 気候変動の問題に取り組む市民の団体です。「グリーンピース」や「WWF(世界自然保護基金)」のような国際団体ではありませんが、「CAN(クライメート・アクション・ネットワーク=気候行動ネットワーク)」という、世界130カ国以上のNGOのネットワークと連携しています。

 ――2020年には、みずほフィナンシャルグループ(FG)の株主となり、二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力発電所向けの融資について情報開示を求める株主提案を行い、話題となりました。

 ◆みずほFGは当時、石炭火力に対して世界最大の貸し付けを行っている金融機関とされていました。そこで株主提案として、気候変動に関する国際的枠組み「パリ協定」の目標に合った投資戦略を策定することと、その計画の情報開示を求めました。

 残念ながら私たちの提案は否決されてしまいましたが、34.5%の株主の支持を得たことは大きなインパクトになったと思っています。

脱炭素で投資家巻き込む

 ――環境NGOが気候変動問題で株主となり提案するという動きは、それまで日本ではなかったと思います。

 ◆気候変動をテーマに…

この記事は有料記事です。

残り1016文字(全文1722文字)

川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部