
私が所属する会社のシニア女性向け月刊情報誌「ハルメク」には、「あなたからハルメクへの短い手紙」という欄があります。読者からはがきで、悩みや気になること、意見などが寄せられます。当社の顧客の悩みや新たなニーズを見つけるツールにもなっていますが、先日、気になる声がありました。
60代前半の女性「認知症が心配」
新型コロナウイルス禍が1年以上続いていますが、多くのシニア女性は社会の変化に戸惑いながらも、人生を前向きに生活を続けています(「コロナ禍の1年『シニア女性の生活と意識』どう変化?」参照)。こうした中、次のようなはがきが5月末に届きました。送り主は63歳の女性でした。
「老夫婦二人で生活しているが、この状況下、ステイホームを続け、外出も週1回の食料品の買い出しくらい。会話も(夫婦で)互いに少なくなってきている。テレビがお友達ではいけないと思いつつ、変化の少ない生活で不安になる。どうか(私たち)二人が認知症にならないようにと願うこのごろです」
送られてくるはがきの中には、現在の状況に対して「ストレスに感じている」「気分が沈みがち」「うつ病になるのではと心配」といった声が少ないながら交じります。気弱になってしまう人がいることを実感しますが、私が上で紹介した声に驚いたのは、60代前半の人が認知症を心配したり、自分のことを「老夫婦」と言ったりしていることでした。
コロナ禍のシニアの課…
この記事は有料記事です。
残り1205文字(全文1801文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ