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「息子・娘は名ばかり社長」の悲劇・入山章栄教授

入山章栄・早稲田大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授
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早稲田大院の入山章栄教授=東京都新宿区で、丸山博撮影
早稲田大院の入山章栄教授=東京都新宿区で、丸山博撮影

 入山章栄・早稲田大大学院教授の連載「未来を拓(ひら)く経営理論」は、世界の経営学の知見をビジネスパーソンが実践できる形で分かりやすく紹介していきます。中小企業や家業経営者の「やってはいけない」シリーズの第2回は、「息子や娘に会社を継がせたら、自分は残ってはいけない」です。

入山章栄教授の「未来を拓く経営理論」

 今回は、ファミリービジネスを経営する親御さんたちへの、経営学やいろいろな企業を見てきた私自身の知見を使っての提案を申し上げましょう。

 それは、「会社を継がせたら、息子さんや娘さんに思い切って任せてほしい」ということです。日本でよくあるのは、自分も会長として会社に残り、しかも株式も持ち続けるというパターンです。息子や娘は肩書こそ「社長」になったけれど、実権は自分たちが握り続けている。私の知る限り、こうしたケースで、その後の会社がうまくいくことはほとんどありません。

 親御さんが会社に残るのは、もちろん息子や娘のことが心配だからです。しかし、長年、その会社を経営してきた経験から、どうしても口を出してしまう。やっかいなのは、会長本人にそのつもりはなくても、古参社員たちはみな、会長の言うことしか聞かなくな…

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入山章栄

早稲田大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授

 1972年生まれ。慶応大学経済学部卒業。米ピッツバーグ大経営大学院から博士号を取得。2013年に早稲田大大学院准教授。19年から現職。世界の経営学の知見を企業経営者やビジネスパーソンが実践できる形でわかりやすく紹介している。主な著書に「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)など。