石角友愛のシリコンバレー通信

アップル幹部を退職に追い込んだ「女性蔑視」抗議

石角友愛・パロアルトインサイトCEO
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アップルの店舗=東京都渋谷区で2020年3月20日、吉田航太撮影
アップルの店舗=東京都渋谷区で2020年3月20日、吉田航太撮影

 先日、製造業で働く女性社員から「上司や幹部など、マネジメント層に女性が圧倒的に少ないため、自分自身のキャリア前進を考えると不安になる」という相談を受けた。実は、シリコンバレーのIT業界でもダイバーシティー(多様性)の問題は常に課題とされており、ここ10年ほどは男女比率をなるべく均等にするようにさまざまな施策や措置がとられてきた。

フェイスブック元幹部を解雇

 そのような中、最近、アップルから一つ興味深い人事関連のニュースが流れた。

 社員として採用された「Chaos Monkeys」(邦題「サルたちの狂宴」)著者のアントニオ・ガルシア・マルティネス氏に対し、既存社員がすさまじい反発を見せ、彼の採用見直しを求める嘆願書が社内に出回って署名活動が起こった結果、その数時間後には解雇が決まったというものだ。

 「サルたちの狂宴」という本は5年ほど前にシリコンバレーかいわいではやっていた。ウォール・ストリートからシリコンバレーに移り、フェイスブックのプロダクトマネジャーを務めるなど、輝かしいキャリアを歩んだ著者の自伝である。私も米国人の友人に薦められて読んだ記憶があるが、その本の中で著者のガルシア・マルティネス氏が…

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石角友愛

パロアルトインサイトCEO

 2010年にハーバードビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得後、米グーグル本社でシニアストラテジストとして、多数のAIプロジェクトを手がける。グーグル退社後、人事系スタートアップや流通系AIベンチャーを経て、2017年に日本企業にAI開発を行うパロアルトインサイトを起業。著書に「いまこそ知りたいAIビジネス」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。